ファイナンシャル・プランニング

なぜ株だけでは「お金が使いにくい」のか

なぜ株だけでは「お金が使いにくい」のか

株というのは投資なので、融資を受けることができません
そのため、1億円持っていれば、1億円分の投資しかできない、という構造になります。

株式のリターンは、統計データを見ると年率で2%〜6%程度、高くても10%以内に30年で収まることが示されています。
このデータをもとに平均的な数字として5%を採用すると、1億円を投資した場合、平均的には年間500万円増える計算になります。

ただし、株式投資ではレバレッジをかけて運用することが基本的にできません
もちろん信用取引という仕組みはありますが、私は信用取引はあまり良い手法だとは思っていません。

長期で持つという前提で考えると、自分の手元にある資金の範囲内でしか投資をすべきではないと考えています。
プラスになっているときは問題ありませんが、それを安心して10年、20年、30年と持ち続けられるかというと、現実的には難しいと思います。

例えば、株価が10%下落したとします。
1億円を通常運用していれば、損失は1,000万円で済みます。

しかし、3倍の信用取引をしていた場合、実質3億円を運用していることになります。
この場合、10%下落すると損失は3,000万円になります。

本来であれば1,000万円のマイナスで済んでいたものが、3,000万円のマイナスとなり、評価額は7,000万円になります。
1億円持っていれば「まだ7,000万円ある」と思えるかもしれませんが、
手元資金以上のお金を動かす信用取引は不安定で、想定を超えるリスクを抱えることになります。

私自身、過去に信用取引で失敗した経験があります。
株式が順調に増え、1年目、2年目はうまくいっていました。
信用取引で短期売買もしていました。

しかし3年目に暴落があり、信用取引をしていたため追加資金を入れることができず、
強制ロスカットされました。
その結果、当時の全財産である約250万円をすべて失いました。

この経験から、信用取引と個別株には二度と手を出さないと決めました。

では、なぜ株だけでは「お金が使いにくい」のか。

全額を株式で運用していると、手元に現金がほとんど入ってきません
株式投資は基本的に再投資が前提となります。

目標金額に達すれば取り崩すという方法もありますが、
例えば年間500万円必要だとすると、5%で逆算すれば必要資産は1億円になります。

1億円を配当利回り5%で運用すれば、年間500万円が配当として入ります。
その分は使っても良いでしょう。

しかし、そこに到達するまでは、再投資を続ける必要があります
証券口座の中では含み益が増えていきますが、生活で使えるお金はほとんど増えません。

そのため、「評価額2億円」「3億円」となっていても、
実際の生活が豊かになっているかというと、収入面では大きく変わらないのが現実です。

一方で、不動産は性質がまったく異なります。

不動産は投資であると同時に、事業でもあります。
銀行が資産運用の分野で融資を行う数少ない事業が、不動産賃貸業です。

銀行がお金を貸すのは、設備資金運転資金だけです。
不動産は建物という「設備」に該当するため、融資を受けることができます。

例えば1億円の金融資産を持っている場合、
新築木造アパートであれば、自己資金1,000万円を入れて、
残り9,000万円を融資で購入することが可能です。

この場合、金融資産9,000万円と不動産1億円で、
総資産は2億円になります。
借入を差し引いても、純資産は1億円のままです。

さらに、不動産では毎月家賃収入が入ります。
管理費や修繕費、返済を差し引いた残りが、
キャッシュフローとして手元に残ります。

1棟で月12〜13万円、2棟で月20万円以上のキャッシュフローが出るケースもあります。
この収入は、次の物件の自己資金に回しても良いですし、
生活費として使うこともできます。

株式では「評価額」は増えても、「使えるお金」は増えにくい。

不動産では、手元の現金を大きく減らさずに、収入を生み出す仕組みを作ることができます。

この違いが、「株だけではお金が使いにくい」理由です。

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