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フルタイム共働き・子育て世帯の積立NISA戦略|つみたて投資枠120万円をどう使うか

フルタイム共働き・子育て世帯の積立NISA戦略|つみたて投資枠120万円をどう使うか

フルタイム共働きで子育てをしていると、「積立NISAはどれくらいやるのが正解?」「生活費や住宅ローンとどうバランスを取ればいい?」と悩みやすくなります。この記事では、フルタイム共働き世帯専門の資産形成FPの視点から、つみたて投資枠120万円をどう考え、どう続けるかを、考え方の順番を軸に整理します。


つみたて投資枠は「年間120万円」が上限であり最適解

新NISAのつみたて投資枠は、年間120万円、非課税保有限度額は1,800万円です。

やり方はシンプルで、どれを選んでも本質は同じです。

  • 月10万円 × 12か月 = 年120万円
  • 月5万円 × 12か月 + ボーナス30万円 × 2回 = 年120万円

形は違っても、「とにかく年間120万円を積み立てる」という点が重要です。

これは年齢に関係ありません。

  • 20代後半夫婦
  • 30代前半・後半夫婦
  • 40代前半・後半夫婦
  • 50代前半・後半夫婦

どの世代でも、つみたて投資枠は同じく年間120万円まで。条件は全員同じです。


夫婦なら「年間240万円」を積み立てられる

つみたて投資枠120万円は、1人分の上限です。

つまり、夫婦でNISA口座を使えば、

120万円 × 2人 = 年間240万円

を非課税で積み立てることができます。

「そんなに無理では?」と感じる方も多いですが、実はフルタイム共働き・子どもなし〜子育て初期であれば、現実的な家庭は少なくありません。


20代後半・子どもなしなら十分に狙える

たとえば、20代後半で子どもがいない共働き夫婦。

フルタイムで2人とも働いていれば、

  • 世帯年収:1,000万円前後
  • 世帯手取り:750万円前後

という家庭も珍しくありません。

仮に、

  • 生活費:500万円

を使ったとしても、残りは250万円あります。

つまり、年間240万円の積立は理論上可能です。

これは「節約を頑張る」話ではなく、フルタイム共働きという構造を活かすという考え方です。


15年間積み立てると元本は3,600万円

夫婦で年間240万円を積み立てた場合、

  • 240万円 × 15年 = 3,600万円

これは元本だけの話です。

ここに運用益が乗ります。

  • 年3%
  • 年5%
  • 年7%

どの利回りを想定するかで結果は変わりますが、重要なのは「15年という時間」です。


15年後、1,800万円に到達したらどうする?

つみたて投資枠は、1人あたり1,800万円が上限です。

では、15年かけて1,800万円に到達したら、その後はどうするのか。

結論はとてもシンプルです。

売却する必要はありません。そのまま運用を続けます。

非課税枠の中で再投資され、基準価額が上がり、運用益が積み上がっていきます。

運用期間が長くなればなるほど、資産は雪だるま式に複利で成長します。


「出口は取らない」という考え方

私自身、そしてフルタイム共働き専門FPとしての立場でも、

つみたて投資に「出口」を設定する必要はない

と考えています。

理由は明確です。

  • フルタイムで働いていれば、給料というインカムがある
  • 生活費はそのインカムで賄える
  • 投資は「増やす役割」に専念させられる

だから、70歳でも80歳でも90歳でも、原則は取り崩さない

取り崩すのは、

  • 不測の事態が起きたとき
  • どうしてもお金が必要になったとき

この2つだけです。


なぜ「長く続ける」が最重要なのか

運用益5%で、最初の15年間に1,800万円を積み立て、

  • その後は追加投資ゼロ
  • 30年運用を続けた場合

結果は、「いつ売るか」より「どれだけ長く置いたか」で決まります。

非課税枠で積み上がった資産は、そのまま置いておくこと自体が最大の戦略です。


子育て世帯でも240万円は「乗り切れる」

子育て世帯だと、

「教育費もあるのに、年間240万円は無理」

と感じるかもしれません。

ただし、実務的にはポイントがあります。

  • 産休・育休・時短の3〜4年をどう乗り切るか
  • この期間は積立額を落としてもいい

フルタイムに戻る頃には、

  • 30代後半〜40代前半
  • 世帯年収1,000〜1,500万円
  • 家庭によっては2,000万円近いケース

という家庭も多くなります。

そうなると、年間240万円は「設定すれば自然にできる水準」になります。


フルタイム共働きで最も注意すべきは「住宅」

フルタイム共働きで世帯年収が高いと、

「1億円近い住宅ローンも組めますよ」

と言われることがあります。

しかし、これは組めるだけで、組んではいけないケースがほとんどです。

考え方の基本は、

  • 審査は夫1人分の年収で考える
  • 妻は産休・育休・時短になる前提で考える
  • ペアローン・連帯債務は使わない

住宅ローンは「手取り比」で考える

例として、

  • 夫年収:700万円
  • 妻年収:500万円

の場合。

住宅ローンは夫の700万円のみで審査。

年収の35%なら、

  • 年間返済:245万円
  • 月返済:約20万円

これはかなりきつい

現実的には、

月10万円前後に抑える

これなら、手取りに対して約20%。

妻の収入が一時的に下がっても、家計が壊れにくくなります。


考え方の順番がすべて

フルタイム共働き・子育て世帯の資産形成で大切なのは、順番です。

  1. 積立投資の絶対額を決める(年240万円など)
  2. 生活費を設計する(500万円など)
  3. 余剰資金を把握する
  4. 妻の収入減を仮定して再計算する
  5. それでも住宅ローンが払えるか確認する

つまり、

先に「投資・貯金」を決め、残りで生活を考える

これが、フルタイム共働き世帯の最も再現性の高い資産形成です。

重要なのは、テクニックではなく、マインドと考え方の順番です。

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