ファイナンシャル・プランニング

年収300万円から始まった社会人人生。それでも資産1億円を築けた理由

年収300万円から始まった社会人人生。それでも資産1億円を築けた理由

社員5名の零細企業で、年収300万円からスタートした社会人人生。

そんな私が、なぜ40代にして資産1億円を築くことができたのか。その過程を書いていきます。

社会人スタート時点の現実

私は24歳で社会人になりました。
初任給は手取り18万円、年収300万円です。

親からは、「就職するなら、ちゃんと貯金しなさいよ」と言われていました。
そこで、なんとか毎月2万円を積立貯金に回すことにしました。

つまり、手取り16万円で生活する、ということです。

当時は一人暮らしで、家賃は7万円。
残りの9万円で、食費・光熱費・通信費・日用品など、すべてをまかなう必要がありました。

その結果、自由に使えるお金は月2〜3万円ほど。
一度外食に行くと5,000円から1万円かかることもあり、正直、生活はかなりカツカツでした。

2年間で貯めた50万円と、最初の大きな決断

社会人2年目が終わる頃、積立貯金は約50万円になっていました。
月2万円を淡々と積み上げた結果です。

そして私は、その50万円をどう使うか考えました。
貯め続けるという選択肢もありましたが、私は全額を自己投資に使う決断をしました。

使い道は、中国語の勉強です。
ECCに通い、中国語会話を学ぶことにしました。

当時の仕事は営業職で、中国との貿易が多く、中国語しか話せないお客さんも多くいました。
商談は毎回通訳を通して行っており、「自分が中国語を話せるようになれば、仕事の幅が広がるのではないか」と考えたのです。

結果として、当時貯めていた50万円すべてを、中国語会話マスターのために使いました。

この時点で、貯金はゼロ
26歳のときでした。

中国語習得と、再びゼロからの貯金

中国語のレッスンは2〜3年間続きました。
最初はほとんど理解できませんでしたが、徐々に話せるようになり、商談の席でも中国語でやり取りができるようになりました。

その間も、月2万円の貯金は続けていました。

その結果、中国語がようやく話せるようになった28歳頃には、再び貯金は50万円程度まで戻っていました。

収入が増えても、生活は楽にならない

ただし、この時期はまだ新入社員1〜4年目。
収入はほとんど増えていません。

昇給は年3万円ほどありましたが、手取りにすると月2万円増えるかどうかという程度です。

さらにこの頃から車を持つようになり、駐車場代やガソリン代、車検費用などがかかるようになりました。
結果として、昇給分はほぼ相殺されていました。

「このままでは一生豊かにならない」という感覚

28歳頃、次第にこんなことを考えるようになります。

収入は少しずつ増えている。
でも、手取りはほとんど変わらない。
貯金も増えない。

このままサラリーマンとして働いているだけでは、生活は豊かにならない。

そこで、「投資をしたほうがいいのではないか」と思うようになり、本屋で投資の本を探し始めました。

確定拠出年金との出会い

そこで出会ったのが、竹川美奈子さんが書いた確定拠出年金の本です。

そこには、「確定拠出年金は年率20%で増える」と書かれていました。

正直、すごいな、と思いました。

今思えば、年率20%で運用できるという意味ではなく、所得控除による税制メリットを含めた話でしたが、当時はそこまで理解できていませんでした。

ただ、「とにかく始めないといけない」という思いから、会社に頼んで確定拠出年金の制度を作ってもらい、加入することになりました。

生活を切り詰めてでも投資を優先した理由と、株式投資で味わった成功と挫折

生活をさらに削って、投資を最優先にする決断

確定拠出年金を始めることを決めた当時、拠出額の上限は今と同じく月2.3万円でした。
私は迷わず、その上限いっぱいまで拠出することにしました。

その結果、

積立貯金が月2万円。
確定拠出年金が月2.3万円。

合計で、毎月4.3万円を将来のために回すことになります。

当然、生活はさらに厳しくなります。

そこで最初に見直したのが、家賃でした。
会社の近くに住んでいましたが、少し離れた場所で、学生が多く住むエリアに引っ越すことにしました。
築年数も古いアパートです。

その結果、家賃は月7万円から月3万円に下がりました。

月4万円の固定費削減です。

この浮いた4万円のうち、2.3万円を確定拠出年金に回し、さらに積立貯金を1万円増額し、月3万円にしました。

確定拠出年金で選んだ商品

確定拠出年金で選んだ商品は、全世界株式インデックス・ファンドです。

他の商品はアクティブファンドばかりで、実質的に選択肢はこれしかありませんでした。

ただ、今振り返ると、この選択は結果的に正解だったと思います。

手元資金50万円の運用を考え始める

この時点で、手元にある現金は50万円。
このお金をどう運用するかを考え始めました。

アフィリエイトや物販、転売など、いろいろ試しました。

しかし、

平日は夜しか時間が取れない。
時間ばかり奪われる。
正直、めんどくさい。

そう感じ、どれも長続きしませんでした。

そして、次に思い浮かんだのが、株式投資です。

株式投資を始めた理由

確定拠出年金は60歳まで引き出せません。
一度積み立てると、取り出せるのは30年以上先です。

そのため、「手元で運用できる資金も必要だ」と考えるようになりました。

株式投資の本を何冊も読みましたが、どの本にも共通して書かれていたのは、

どのタイミングで株を買うか。
チャートを見て売買する方法。
優良企業の株を、下がったところで買う。

株式投資とは、そういうものだと思っていました。

思いがけず、うまくいった最初の2年間

実際に株式投資を始めてみると、運よく株価が上がりました。

結果として、

1年目はプラス50万円。
2年目もプラス50万円。

合計で、100万円の利益です。

この結果を見て、正直こう思いました。

「もしかして、株式投資の才能があるのではないか」
「このままいけば、会社で働くより稼げるのではないか」

今思えば、完全に勘違いです。

信用取引での大失敗

そんな状態で迎えた次の年、私は信用取引にも手を出していました。

しかし、株価が大きく下落する局面を迎えます。

評価損が膨らみ、ある日、強制ロスカットが発動しました。

その結果、250万円の損失が確定しました。

それまで社会人になってからコツコツと積立貯金してきたお金も、ほぼすべてなくなりました。

そのとき、強く感じたのは、

「このままでは、一生資産を築くことはできない」

という危機感でした。

株式の猛勉強が始まる

そこから、株式投資について徹底的に勉強するようになりました。

とにかく、本を読みました。
投資手法の本、株式市場の歴史、行動経済学。

その中で、次第に分かってきたことがあります。

デイトレードや短期売買は、自分にはできない。
チャートを見て売買判断をする能力もない。

個別銘柄の危険性を身をもって知る

実は、株式投資2年目のとき、1つの銘柄で大きな含み損を抱えた経験があります。

会社の不祥事が発覚し、株価が急落しました。

最終的には、他の銘柄がプラスだったため、トータルでは助かりましたが、

「個別銘柄は、何が起こるかわからない」

という恐怖を強く感じました。

この経験から、私はもう二度と個別銘柄には手を出さないと決意しました。

一本の筋が通った投資手法との出会い

勉強を続ける中で、これまでとはまったく違う考え方に出会います。

それが、長期・分散・低コストのインデックス投資でした。

バンガード創設者のジョン・ボーグル、ジェレミー・シーゲル、バートン・マルキール、チャールズ・エリス、ゴードン・マレー。

彼らの本に共通して書かれていたのは、

株価のタイミングはプロでも分からない。
安く買って高く売ることを続けられる人はいない。
プロ投資家自身が市場の一部である。
コストの分だけ、投資家のリターンは確実に減る。
多くの投資家は、市場平均にすら届いていない。

これらは、まさに目からウロコでした。

「これが、個人投資家がやるべき投資だ」
「これしかない」

そう、心から思いました。

売らずに積み上げたインデックス投資と、資産1億円に至るまでの道のり

インデックス投資を始めた決断

一本の筋が通った投資手法として出会ったのが、長期・分散・低コストのインデックス投資でした。

私は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスをベンチマークとする投資を始めました。

47カ国、2500〜3000社の企業に分散投資する。
どの企業が伸びるかを当てるのではなく、世界全体の成長をそのまま受け取るという考え方です。

ここで決めたルールはとてもシンプルでした。

毎月一定額を積み立てる。
ドルコスト平均法で淡々と買い続ける。
どんなことがあっても売らない。

月3万円から、インデックス投資をスタートしました。

自分自身との契約書

私は、この決意を曖昧にしないために、自分自身との契約書を作りました。

内容は、「2050年までは、どんなことがあっても売らずに買い続ける」というものです。

株価が大きく下がったとき。
ニュースが不安を煽ってきたとき。

そのたびに、この契約書を見返しました。

そのおかげで、感情に流されることなく、投資を続けることができました。

同棲・結婚・共働きによる入金力の拡大

インデックス投資を始めた31歳頃、現在の妻と同棲を始めました。

一人暮らしから二人暮らしになることで、生活コストは自然と下がりました。

当時の私の年収は約450万円。
彼女の年収は、おそらく400万円程度だったと思います。

共働きで二人暮らし。
生活コストを抑えながら、世帯収入を増やせる理想的な状態でした。

私が確定拠出年金を始めた頃、彼女も一緒に確定拠出年金を始めていました。

そのため、

確定拠出年金は夫婦で月4.6万円。
それとは別に、NISAで私が月10万円、妻が月10万円。

合計で、月14.6万円をインデックスファンドに投資していました。

収入が増えても、生活コストを上げなかった

その後、私の収入は少しずつ増えていきました。

500万円、550万円、600万円、700万円、そして1000万円。

妻の収入も同様に増えていきましたが、結婚して2年目頃に子どもが生まれ、妻は産休・育休に入ります。

世帯年収は一時的に下がりましたが、積立投資は一度も止めませんでした。

生活コストを上げなかったことが、ここで大きく効いてきます。

住宅は1380万円のマンションを購入し、賃貸よりも月々のローン返済が少なくなるようにしました。

車も10年以上同じものに乗り続け、ようやく最近、中古の安いコンパクトカーに買い替えた程度です。

節約ではなく、仕組みで回す

こう書くと、かなり厳しい節約生活をしているように思われるかもしれません。

ですが、実際には節約を意識したことはほとんどありません。

電気代を細かく気にすることもありませんし、食費を無理に削ることもありません。

それよりも意識していたのは、収入を最大化することです。

本を読んでインプットし、会社で実践してアウトプットする。
それを繰り返すことで、少しずつ評価され、収入も上がっていきました。

子どもが生まれても、投資を止めなかった理由

妻が育休から復帰した後は、子どもが3歳になるまで時短勤務を選びました。

そのため、収入は以前より下がり、さらに保育料もかかります。

正直、この時期の家計は楽ではありませんでした。

それでも投資を止めなかったのは、住宅ローンと固定費を低く抑えていたからです。

子どもが生まれたタイミングで、子どもの証券口座も作りました。

投資先は同じインデックスファンド。
年100万円程度、子どものための投資も行っていました。

入金力が、資産形成のすべてを決めた

最初は月3万円から始めたインデックス投資。

それが、100万円、500万円、1000万円、2000万円と、着実に積み上がっていきました。

一番大きかったのは、収入が増え、投資元本を増やせたことです。

1000万円が5%増えても50万円。
5000万円が5%増えれば250万円。

この差は、想像以上に大きいと実感しました。

売らなかったからこそ、積み上がった

そして、もう一つ重要だったのが、一度も売らなかったことです。

市場リターンが7%で、信託報酬が0.1%なら、投資家が受け取るリターンは6.9%。

0.1%のコストで、47カ国2500〜3000社の企業を丸ごと保有できるなら、非常に合理的だと感じました。

その結果、運用額は5000万円を超えました。

家計と資産の現在地

一方、家計の生活費はどうかというと、年間約400万円程度です。

海外旅行が好きなので、年1回は必ず行きます。
レジャーにはお金を使いますが、それ以外は質素です。

現在、給与のみで世帯年収は約2000万円。
生活コストを引いても、毎年1000万円前後の黒字が出ています。

不動産という第二の収入源

コロナ禍をきっかけに、夫婦で将来の資産について話し合いました。

年3%という保守的なリターンで計算しても、将来的に資産は7〜10億円前後になると分かりました。

次に考えたのが、相続税対策です。

そこで目を向けたのが、賃貸アパート・マンション経営でした。

不動産については、本やYouTubeで徹底的に勉強しました。

やるか、やらないかではなく、いつ始めるかの問題だと考えました。

物件探しではなく、パートナー探しへ

最初は物件を探していましたが、ポータルサイトの情報は遅く、時間効率が悪いと感じるようになりました。

そこで方針を変え、信頼できる不動産会社を探すことにしました。

その結果、信頼できるパートナーと出会い、2023年に1棟目を購入。

さらに1年後、同じ業者から2棟目も購入しました。

最後に伝えたいこと

世の中には、「株価が2倍になる銘柄」「テンバガーの見つけ方」など、派手な情報が溢れています。

ですが、本当に大切なのは、再現性があり、オーソドックスで、確実に資産が築ける方法です。

正しい知識と、お金に対する考え方を身につければ、資産は少しずつ、しかし確実に積み上がっていきます。

それが、私が実践してきた王道の資産形成です。

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